つの義務のサラーの規定時間
] 日本語 [
أوقات الصلوات الخمس
[اللغة اليابانية ]
ムハンマド・ブン・イブラーヒーム・アッ=トゥワイジリー
محمد بن إبراهيم التويجري
翻訳者: サイード佐藤
ترجمة: سعيد ساتو
校閲者: ファーティマ佐藤
مراجعة: فاطمة ساتو
海外ダアワ啓発援助オフィス組織(リヤド市ラブワ地区)
المكتب التعاوني للدعوة وتوعية الجاليات بالربوة بمدينة الرياض
1428 – 2007
③5つの義務のサラーの規定時間
● 崇高なるアッラーは全てのムスリム男女に、1昼夜に5回のサラーを義務付けられました。
● 義務のサラーの規定時間は以下の通りです:
1-ズフルの時間:太陽が正中から傾く頃から、全ての影がその物自体の長さと同じ長さになる頃までです(この時、太陽が正中にある時点においても存在している影の長さは差し引きます)。ズフルはこれらの時間帯の初めに行うことが最良ですが、酷暑の場合には(時間帯から出てしまわない限りにおいて)遅らせて暑さを凌ぐことがスンナ[1]です。ズフルのサラーは4ラクアから成っています。
2-アスルの時間:ズフルの時間帯の終了時から、太陽が黄色くなる頃までです。何らかの理由でそれまでに行えなかった場合は、太陽が沈む前までに行うことが出来ます。早い時間帯に行うことがスンナで、4ラクアから成っています。
3-マグリブの時間:日没から、その際に現れる赤い残光が消失するまでです。早い時間に行うのがスンナで、3ラクアから成ります。
4-イシャーの時間:日没後の赤い残光が消える頃から、夜半までです。何らかの理由でそれまでに行えなかった場合は、真のファジュル(暁)[2]の時間までの間に行うことが出来ます。もし可能であれば、夜の3分の1が過ぎるまで遅らせるのが最良です。4ラクアから成ります。
5-ファジュルの時間:真のファジュルから、太陽が昇るまでです。早めに行うのが最良で、2ラクアから成ります。
ブライダ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、ある男が預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)に、サラーの時間について訊ねました。それで(預言者は)彼にこう言いました:「“これらの間(つまり2日間)私たちとサラーせよ。"
そして(1日目は)太陽が(正中から)傾いた時、ビラールに命じてアザーン[3]をさせ、それからズフルのイカーマ[4]を命じました。それから太陽が真っ白で高い位置にある時に、彼に命じてアスルのイカーマを命じました。そしてマグリブのイカーマは太陽が沈んだ時に命じ、イシャーのイカーマは(日没後の)残光が消えた時に命じました。それからファジュルのイカーマは、黎明が訪れた時に命じました。
そして2日目にはズフルを遅らせて暑さを凌ぐように命じ、暑さを凌ぎつつそれを大変遅らせました。そして太陽がまだ高い位置にある時にアスルをしましたが、前日よりは遅らせました。またマグリブは(日没の)残光が消え去る前に行い、イシャーは夜の3分の1が過ぎてから行いました。そしてファジュルは朝の光が広がり始める頃に行いました。
それから(預言者は)言いました:“サラーの時間を訊ねた者はどこだ?"それで件の男は言いました:“私です、アッラーの使徒よ。"(預言者は)言いました:“サラーの時間は、あなたが見た2つの(両端の時間の)間である。"」(ムスリムの伝承[5])
● 暑さが厳しい時は、ズフルをアスル近くまで遅らせるのがスンナです。預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:「暑さが厳しい時には、サラー(ズフル)を遅らせよ。酷暑とは、地獄の業火からの余熱なのであるから。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[6])
● 時刻の不明瞭な状況下でのサラーの時間:
夏には太陽が沈まず、冬には昇らないような地域、あるいは昼と夜が交互に半年ずつ継続するような地域では、義務のサラーの各規定時間の区別がつく最寄の地域の規定時間に従い、24時間中にきちんと5回の義務のサラーが行えるようにします。
[1] 訳者注:預言者ムハンマド(彼にアッラーの祝福と平安あれ)の示した手法や道のこと。ムスリムは可能な限り、彼のスンナを踏襲するべきであるとされています。
[2] 訳者注:イスラーム法におけるファジュル(暁)には2つあり、偽のファジュルと真のファジュルがあります。前者は夜明け前に縦に伸びる光で、後者は全体的に広がってくる光です。
[3] 訳者注:礼拝時間に入ったことを告知する呼びかけのこと。詳しくはこの章の「アザーンとイカーマ」の項を参照のこと。
[4] 訳者注:礼拝が開始されたことを告知する呼びかけのこと。詳しくはこの章の「アザーンとイカーマ」の項を参照のこと。
[5] サヒーフ・ムスリム(613)。
[6] サヒーフ・アル=ブハーリー(536)、サヒーフ・ムスリム(616)。文章はアル=ブハーリーのもの。